この記事の3行まとめ
- 広告の表面利回りは経費未考慮のため、鵜呑みにすると収支悪化の危険性大
- 購入判断には、管理費や税金を引いた「実質利回り」を自分で計算することが必須
- 新築3.0%、中古築浅4.0%など、物件タイプ別の適正目安を知ることが大事
「利回り10%超えの優良物件」という広告を見て、心が揺らいだことはありませんか?多くの初心者が表面的な数字に飛びつき「こんなはずじゃなかった」と後悔しています。本記事では、経費を含めた「実質利回り」の正しい計算方法と、失敗しないための具体的な目安を3つ紹介します。
表面利回りと実質利回りの違いとは?正しい計算式を解説

不動産投資において、利回りは収益性を測る重要な指標です。利回りには「表面利回り」「実質利回り」種類があります。この2つの違いを正しく理解していないと、実際の収支が狂ってしまいます。多くの不動産会社が提示するのは、見栄えの良い「表面利回り」で、私たちが重視するのは、経費を考慮した「実質利回り」です。それぞれの定義と、なぜ実質利回りが重要なのかを解説します。
広告の「表面利回り」を鵜呑みにしてはいけない理由
不動産サイトやチラシに掲載されている利回りのほとんどは、単純計算による「表面利回り」に過ぎません。計算方法や実際の収支など下記のようになります。
- 計算方法:計算式は「年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100」とシンプルです(例:価格2,000万円、家賃100万円なら5.0%)
- ランニングコストの欠落 :この数字には、管理費、修繕積立金、固定資産税といった運営にかかる経費が一切含まれていません。
- 実際の収支:家賃収入がそのまま手元に残るわけではありません。表面利回りが高くても、経費が高額であれば手元に残る現金がマイナスになることもあります。
表面利回りはあくまで簡易的な指標であり、収益性の実態を正確には表していないことを理解して起きましょう。
重視する「実質利回り」の計算シミュレーション
投資判断において信頼できるのは、実質利回りです。これは運営にかかる経費と、購入時の諸経費などすべて計算に含めた、現実的な収益率を表します。実質利回りの計算式は以下のようになります。
実質利回り = (年間家賃収入 - 年間諸経費) ÷ (物件価格 + 購入時諸経費) × 100
具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。
・物件価格:2,000万円
・年間家賃収入:100万円(表面利回り5.0%)
・年間諸経費:20万円(管理費、修繕積立金、税金など)
・購入時諸経費:100万円(仲介手数料、登記費用など)
このケースで計算すると、(100万円 - 20万円) ÷ (2,000万円 + 100万円) × 100 = 約3.8%となります。
表面利回り5.0%に対し、実質利回りは3.8%まで下がります。面倒でも必ずこの計算を行い、現実的な収益力を確認しましょう。
【物件タイプ別】マンション投資の実質利回り目安

具体的に何%あれば良いのか疑問に思いますよね?適正な利回りは物件の種類やエリア、築年数によって異なります。正解という基準はありません。リスクとリターンは表裏一体の関係なため、安定性を取れば利回りは低くなり、高利回りを狙えば空室などのリスクも高まります。
投資スタイルに合わせた3つの具体的な目安
「自分にはどのタイプが合っているのか?」を整理するために、それぞれの特徴、メリット・デメリット、適正な実質利回りを一覧表にまとめました。ご自身の資金力や投資目的に合わせながら、比較検討してみましょう。
| 項目 | ①新築ワンルーム (都心) | ②中古築浅 (都心・駅近) | ③中古築古 (地方・郊外) |
| 実質利回り | 3.0%前後※1 | 4.0%〜4.5%※2 | 6.0%以上(場合によっては8.0%超)※3 |
| 主なメリット | ・圧倒的な資産価値の維持 ・空室リスクが低い ・将来も価格が下がりにくい | ・価格と家賃のバランスが最も良い ・融資が引きやすく収支を黒字化しやすい ・賃貸需要が高く家賃下落リスクが限定的 | ・高い利回りが非常に魅力的 |
| リスク・懸念点 | ・毎月の手元に残るお金が少額 ・持ち出しになる可能性もある | 特段の記述なし、バランス型 | ・老朽化による修繕費の増大 ・空室期間の長期化 ・出口戦略(売却)が困難 |
| 投資の特性 | ・生命保険代わりの堅実な投資 ・長期的な資産形成 | ・家賃と売却益の両取り | ・リターン重視だが高リスク ・高度な経営手腕が必要 |
| 向いている人 | ・本業収入が高い人 ・節税効果を期待する人 ・手堅く資産を残したい人 | ・投資初心者 | ・中級者から上級者 ・ある程度の資金力と経験がある人 ・目利き力がある人 |
※1引用:不動産投資SQUARE「不動産投資の表面・実質利回りの平均と目安にすべき最低ライン」(2018年8月)
※2引用:株式会社ネクサスエージェント「ワンルームマンション投資で購入前に知るべき、利回りの計算方法・相場を解説!」(2024年3月)
※3引用:スター・マイカ株式会社「区分マンション投資の利回りの目安は?不動産投資のシミュレーション具体例」(2024年5月)
この表から分かるように、利回りの高さだけで物件を選ぶのは危険です。重要なのは、表面的な数字に踊らされることなく、損失の可能性と得られる利益のバランスをを理解した上で、ご自身に合った物件を選ぶことです。
まとめ|適正な利回りを見極めて堅実な投資を

本記事では、マンション投資における利回りの考え方と具体的な目安について解説しました。
不動産投資は、購入前のシミュレーションで勝負の大半が決まります。まずは気になる物件の資料を取り寄せ、今回紹介した計算式で実質利回りを算出してみましょう。そのひと手間が、あなたの資産を守る一歩となります。