この記事の3行まとめ
① マンション経営は「立地・利回り・資金計画・修繕計画」の4要素を外すと儲からない状態に陥る
② 空室・家賃下落・ローン負担・修繕費・固定費が収益を圧迫する5大要因
③ 原因を理解し、実質利回り3.5%以上・自己資金20%以上などの基準で運用すれば収益改善は十分可能
マンション経営について調べていると、「儲からない」「やめたほうがいい」といった意見を目にすることも多く、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
確かに、マンション経営は必ず利益が出る投資ではなく、空室や修繕費、ローン返済などによって収支が悪化するケースもあります。一方で、適切な物件選びと運用を行えば、長期的に安定した収益を得ることも十分可能です。
この記事では、マンション経営が「儲からない」と言われる理由を整理したうえで、実際に収益が出にくいケースの特徴、具体的な数字を用いた改善方法、そして「やめるべきか・続けるべきか」の判断基準まで、不動産オーナー目線で徹底解説します。
- マンション経営は本当に儲からないのか
- マンション経営が儲からないと言われる5つの理由
- 理由1:空室リスクによる収益低下
- 理由2:家賃下落による収益圧迫
- 理由3:ローン返済の負担
- 理由4:修繕費・設備更新コストの増加
- 理由5:管理費・税金などの固定費
- 実際に儲からないマンション経営のケース
- 利回りが低い物件を選んでいる
- 立地や需要を考慮していない
- フルローンなど無理な資金計画
- 管理会社に任せきりになっている
- 修繕計画が不十分
- 儲かるマンション経営との違い【比較表あり】
- 需要のある立地・物件を選んでいる
- 余裕のある資金計画を立てている
- 儲からないマンション経営を改善する具体的な方法
- 1. 空室対策を強化する
- 2. ローンの借り換えで返済負担を軽減する
- 3. 適正な家賃設定に見直す
- 4. 経費・固定費を見直す
- 5. 売却(出口戦略)も選択肢に入れる
- マンション経営をやめるべきか判断する基準
- やめる(売却する)ことを検討すべきケース
- 続けることを検討すべきケース
- マンション経営で儲けるための成功のポイント
- 立地を最優先で選ぶ
- 綿密な収支シミュレーションを行う
- 信頼できるパートナーを見つける
- 自己資金を適切に投入する
- マンション経営に関するよくある質問(FAQ)
- Q1. マンション経営は本当に儲からないのですか?
- Q2. 自己資金がほとんどなくてもマンション経営は始められますか?
- Q3. 区分マンションと一棟マンションはどちらが良いですか?
- Q4. 赤字でもマンション経営を続けるメリットはありますか?
- Q5. マンション経営を始める前に相談すべき相手は誰ですか?
- まとめ:正しい知識と対策でマンション経営は儲かる
マンション経営は本当に儲からないのか

結論から言えば、マンション経営は「必ず儲からない投資」ではなく、条件と運用次第で収益が大きく変わる投資です。「儲からない」という声が目立つのは、短期的なキャッシュフロー(手残り)だけを見て判断しているケースが多いためです。
マンション経営の収益は、次の3つを合計して評価する必要があります。
- インカムゲイン:毎月の家賃収入から経費・ローン返済を差し引いた手残り
- ローン残債の減少:家賃収入で元金が返済され、自己資産(純資産)が積み上がる効果
- キャピタルゲイン:売却時の差益(または損失)と、保有中の節税効果
たとえば、毎月の手残りが数千円〜1万円程度でも、ローンの元金返済が月5万円進んでいれば、実質的には毎月5万円以上の資産形成が行われています。「目先の手残りが少ない=儲からない」とは限らないのがマンション経営の特徴です。
とはいえ、運用を誤れば本当に赤字が続くケースもあります。重要なのは、なぜ収益が出にくくなるのかを正しく理解し、自分の物件・資金状況に当てはめて判断することです。
マンション経営が儲からないと言われる5つの理由

マンション経営が「儲からない」と言われる背景には、多くのオーナーが直面する現実的なリスクがあります。事前に理解しておくことで、回避・軽減できるものがほとんどです。
理由1:空室リスクによる収益低下
マンション経営で最も大きなリスクが空室です。入居者がいなければ家賃収入はゼロになりますが、その間もローン返済・管理費・税金などの支出は続きます。
たとえば家賃8万円の区分マンションが2か月空室になれば、16万円の家賃を失ううえ、原状回復費や募集広告費(AD)も発生します。需要の低いエリアや築古物件では空室が長期化しやすく、年間を通して大きな収益悪化要因となります。
空室率が低いエリアの特徴は?不動産投資で失敗しない立地の見極め方
理由2:家賃下落による収益圧迫
賃貸住宅の家賃は、築年数の経過とともに下落するのが一般的です。一般的な目安として、築10年で新築時の約10〜20%、築20年で約20〜30%下落すると言われます(立地・物件タイプにより変動)。
新築時の想定賃料で収支計画を組んでいると、数年後に家賃が下落した際に計画通りの利益が出ず、「思ったより儲からない」と感じる原因になります。
理由3:ローン返済の負担
マンション経営は多くの場合、ローンを利用して始めます。借入額が大きい・金利が高い・返済期間が短いほど毎月の返済負担は重くなり、家賃収入との差が小さいとキャッシュフローが悪化します。
特にフルローン(自己資金ゼロ)や金利2%超での借入は、わずかな空室や家賃下落で赤字に転落しやすく、収益を圧迫する大きな原因となります。
理由4:修繕費・設備更新コストの増加
マンションは経年とともに設備が劣化し、定期的な修繕・更新が必要です。主な修繕費用の目安は以下の通りです。
| 修繕・更新項目 | 費用目安 | 交換・更新の周期 |
|---|---|---|
| エアコン交換 | 5万〜15万円/台 | 10〜15年 |
| 給湯器交換 | 10万〜25万円/台 | 10〜15年 |
| クロス・床の張替え | 5万〜20万円/室 | 退去ごと〜10年 |
| 外壁・大規模修繕(1棟) | 数百万〜数千万円 | 12〜15年 |
こうしたコストを見込まずに運用していると、突発的な支出で一気に収支が悪化します。区分マンションでも修繕積立金は経年で値上げされる傾向があり、注意が必要です。
理由5:管理費・税金などの固定費
マンション経営では、管理委託費(家賃の3〜5%が相場)、修繕積立金、固定資産税・都市計画税などの固定費が継続的に発生します。これらは空室の有無に関係なく支払いが必要なため、収益を圧迫します。固定費の割合が高いほど収支は厳しくなる点に注意しましょう。
実際に儲からないマンション経営のケース

儲からない原因は市場環境だけでなく、物件選びや運用方法による影響も大きいです。ここでは収益が出にくい典型的なケースを紹介します。
利回りが低い物件を選んでいる
表面利回りだけを見て物件を選ぶと、管理費・修繕費などを差し引いた実質利回りが低くなり、利益が残りません。表面利回りと実質利回りの違いは以下の通りです。
| 種類 | 計算式 | 注意点 |
|---|---|---|
| 表面利回り | 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100 | 経費を考慮しないため実態より高く見える |
| 実質利回り | (年間家賃収入−年間経費) ÷ (物件価格+購入諸費用) × 100 | 実際の収益力に近い数値 |
都心の新築区分マンションは表面利回り3〜4%、実質利回り2%前後になることも珍しくなく、収益性より資産性に寄った投資になりがちです。
立地や需要を考慮していない
賃貸需要の少ないエリアやターゲットが曖昧な物件は空室が発生しやすくなります。駅から徒歩10分以上、周辺に競合物件が多い、人口減少エリアなどの条件は入居率に大きく影響します。需要を無視した物件選びは長期的に収益を悪化させます。
フルローンなど無理な資金計画
自己資金がほぼゼロの状態でフルローンを組むと毎月の返済負担が重く、少しの空室や家賃下落でも赤字になります。資金に余裕がないと突発的な修繕費にも対応できず、経営が一気に不安定になります。
フルローン・オーバーローンの現実|不動産投資で狙える条件と失敗しない判断基準
管理会社に任せきりになっている
管理会社にすべてを任せ、収支や運用状況を把握していないケースも少なくありません。適切な賃料設定や空室対策が行われていなくても気づけず、機会損失につながります。オーナー自身も一定の知識を持ち、定期的に運用状況を確認することが重要です。
修繕計画が不十分
修繕費を十分に見込まずに運用していると、突発的な支出に対応できず収支が一気に悪化します。特に給排水・電気設備の更新は高額になりやすく、家賃収入の5〜10%程度を修繕予備費としてプールしておくのが安全です。
儲かるマンション経営との違い【比較表あり】

「儲からない」と言われる一方で、安定して収益を出しているオーナーがいるのも事実です。その違いは物件選びと運用方法に集約されます。以下の比較表で違いを確認しましょう。
| 項目 | 儲からないケース | 儲かるケース |
|---|---|---|
| 立地 | 駅徒歩10分以上・人口減少エリア | 駅徒歩10分以内・賃貸需要の高いエリア |
| 実質利回り | 2%前後 | 3.5%以上を目安に確保 |
| 自己資金 | フルローン(0%) | 物件価格の20%以上を投入 |
| 家賃設定 | 相場無視・更新時に放置 | 市場相場に合わせ定期見直し |
| 修繕計画 | 無計画・予備費なし | 長期修繕計画+予備費を確保 |
| 管理姿勢 | 管理会社に丸投げ | 収支を把握し能動的に改善 |
需要のある立地・物件を選んでいる
安定して収益を出しているオーナーは、賃貸需要の高いエリアやターゲットが明確な物件を選んでいます。単身者向けなら駅近・職場アクセス重視、ファミリー向けなら学区・周辺環境を重視するなど、入居者像と立地特性を合致させているのが特徴です。
余裕のある資金計画を立てている
自己資金を物件価格の20%以上投入し、ローン返済比率(返済額÷家賃収入)を50%以下に抑えることで、空室や金利上昇にも耐えられる収支構造を作っています。キャッシュフローに余裕があることが、長期安定運用の前提です。
儲からないマンション経営を改善する具体的な方法

すでにマンションを所有していて収支が芳しくない場合でも、改善の余地は十分にあります。優先度の高い順に対策を紹介します。
1. 空室対策を強化する
空室は最大の収益悪化要因です。以下の対策で入居率を高めましょう。
- 募集条件の見直し(敷金・礼金ゼロ、フリーレント、ペット可など)
- 室内設備の更新(独立洗面台・モニターホン・無料インターネット導入)
- 募集広告の写真・掲載媒体の見直し
- 客付けに強い管理会社・仲介会社への切り替え
2. ローンの借り換えで返済負担を軽減する
金利が高いローンを抱えている場合、より低金利の金融機関へ借り換えることで毎月の返済額を抑えられます。金利が1%下がるだけで、借入3,000万円なら年間数十万円単位の支払い軽減につながることもあります。借り換えには諸費用がかかるため、総支払額で判断しましょう。
3. 適正な家賃設定に見直す
相場より高い家賃は空室の原因に、安すぎる家賃は収益機会の損失になります。周辺の競合物件と比較し、「空室期間を最小化しつつ最大の家賃を得られる水準」に調整することが重要です。
4. 経費・固定費を見直す
管理委託費の料率交渉、保険の見直し、不要なサブスク型サービスの解約など、固定費の削減は確実に手残りを増やします。また、減価償却や経費計上を適切に行い、節税効果を最大化することも実質利回りの改善につながります。
5. 売却(出口戦略)も選択肢に入れる
改善しても赤字が続く・将来性が見込めない物件は、売却して損切りや資産組み替えを検討するのも有効です。市況が良いタイミングであれば、ローン残債を上回る価格で売却できる可 能性もあります。「いつまでに・いくらで売れば損をしないか」をあらかじめ試算し、出口戦略を持っておくことが、マンション経営のリスク管理においては欠かせません。
マンション経営をやめるべきか判断する基準
「このまま続けるべきか、それとも撤退すべきか」と悩んでいる方は、感情ではなく数字で判断することが大切です。以下の基準を参考にしてください。
やめる(売却する)ことを検討すべきケース
- 改善策を講じても毎月のキャッシュフローが赤字のまま回復しない
- 築年数の経過で今後大規模な修繕費が確実に発生する
- エリアの人口減少が著しく、将来的な空室リスクが高い
- 売却すればローン残債を完済でき、損失を最小化できる
- 本業や生活に支障が出るほど精神的・資金的な負担が大きい
続けることを検討すべきケース
- キャッシュフローが黒字、または改善の見込みがある
- 立地が良く、長期的に安定した需要が見込める
- ローン残債が減っており、完済後は安定収入が期待できる
- 節税効果や生命保険代わりとしてのメリットを享受できている
判断に迷う場合は、不動産会社に査定を依頼して「今売ったらいくらになるか」を把握したうえで、続けた場合と売却した場合の総収支をシミュレーションして比較しましょう。複数の専門家の意見を聞くことで、客観的な判断ができます。
マンション経営で儲けるための成功のポイント
これから始める方も、すでに運用中の方も、以下のポイントを押さえることで成功確率を高められます。
立地を最優先で選ぶ
マンション経営の成否の大部分は立地で決まります。駅近・都心部・人口流入エリアなど、長期的に賃貸需要が見込める場所を選ぶことが、空室リスクを抑える最大の対策です。利回りの高さだけに惹かれて地方の物件に手を出すと、空室で苦しむケースが少なくありません。
綿密な収支シミュレーションを行う
表面利回りではなく、空室・修繕費・税金・金利上昇まで織り込んだ「実質利回り」で判断しましょう。楽観的な見通しではなく、悲観的なシナリオでも黒字を維持できる物件を選ぶことが鉄則です。
信頼できるパートナーを見つける
不動産会社や管理会社の質は、経営成績に直結します。営業トークの良さではなく、デメリットやリスクも正直に説明してくれる会社を選びましょう。長期的な付き合いになるため、複数社を比較検討することをおすすめします。
自己資金を適切に投入する
フルローンは手元資金を残せる反面、返済負担が重くキャッシュフローが悪化しがちです。ある程度の自己資金(物件価格の1〜3割程度)を投入することで、月々の返済を抑え、安定した経営が可能になります。
マンション経営に関するよくある質問(FAQ)
Q1. マンション経営は本当に儲からないのですか?
「儲からない」と言われるのは、立地選びや収支シミュレーションを誤ったケースが多いためです。適切な物件を選び、空室対策や経費管理を徹底すれば、安定した家賃収入と資産形成が可能です。短期間で大きく稼ぐ投資ではなく、長期的にコツコツ資産を積み上げる手段と捉えることが成功の鍵となります。
Q2. 自己資金がほとんどなくてもマンション経営は始められますか?
金融機関の審査次第ではフルローンで始めることも可能ですが、おすすめはできません。自己資金が少ないと月々の返済負担が重くなり、空室や修繕が発生した際に資金繰りが厳しくなります。最低でも物件価格の1〜2割程度の自己資金と、半年分の運転資金を用意してから始めると安心です。
Q3. 区分マンションと一棟マンションはどちらが良いですか?
初心者には少額から始められ、リスク分散しやすい区分マンションが向いています。一棟マンションは収益規模が大きい反面、初期投資額が高く空室リスクも集中します。資金力や経験、目指す収益規模に応じて選びましょう。まずは区分から始めて、慣れてきたら規模を拡大する方法も有効です。
Q4. 赤字でもマンション経営を続けるメリットはありますか?
会計上の赤字(減価償却による帳簿上の赤字)であれば、節税効果を得つつ実際のキャッシュフローは黒字というケースもあります。一方、実際の手出しが続く赤字の場合は、改善策を講じても回復しないなら売却を検討すべきです。「どの種類の赤字か」を正しく見極めることが重要です。
Q5. マンション経営を始める前に相談すべき相手は誰ですか?
不動産会社だけでなく、ファイナンシャルプランナーや税理士など中立的な専門家にも相談することをおすすめします。販売側の意見だけでは判断が偏りがちです。複数の視点から物件やローン計画を検証することで、失敗リスクを大きく減らせます。
まとめ:正しい知識と対策でマンション経営は儲かる
「マンション経営は儲からない」と言われる背景には、空室・修繕費・金利上昇・立地選びの失敗など、明確な原因があります。しかし、これらは事前の対策と運用中の改善努力によって十分にコントロール可能です。
本記事で解説したポイントを振り返りましょう。
- 儲からない原因の多くは「立地ミス」と「甘い収支計画」にある
- 空室対策・ローン借り換え・経費見直しで収益は改善できる
- 改善が見込めない場合は売却(損切り)も有効な選択肢
- 立地最優先・実質利回り重視・信頼できるパートナー選びが成功の鍵
- 始める前に中立的な専門家へ相談しリスクを把握する
マンション経営は短期間で大儲けする投資ではありませんが、正しい知識を持って堅実に運用すれば、長期的な資産形成と安定した不労所得を実現できる魅力的な手段です。すでに運用中で悩んでいる方も、改善策を一つずつ実行することで状況は好転します。本記事を参考に、後悔のないマンション経営を進めていきましょう。