この記事の3行まとめ
- 建て替え費用は1戸あたり約2000万円
- 本体以外に仮住まいや諸費用も必要
- 払えなくても選べる道は3つある
マンションの建て替え費用がいくらかかるのか、不安に感じていませんか。
1戸あたりの負担は、決して小さくありません。それでも、費用を払えない場合に住まいを守る道は残されています。
2026年には区分所有法も改正され、選択肢はさらに広がりました。
この記事で、費用の相場と払えないときの現実的な選択肢がわかります。
マンション建て替え費用は1戸あたりいくら?

マンションの建て替え費用は、1戸あたり平均で約2000万円が目安です。
国土交通省の資料によると、2017〜2021年に建て替えた区分所有者の平均負担額は約1,941万円(約2000万円)です。
ここでは相場の中身と、本体価格のほかにかかるお金を整理します。
出典:国土交通省「マンションを取り巻く現状について」
1戸あたりの費用相場は立地や規模で大きく上下する
建て替え費用の相場は、1戸あたりおおむね2000万円前後です。
小規模な建物で戸数を増やせない場合、負担が5000万円を超える例もあります。
相場の2000万円は、恵まれた物件の場合の目安だと考えましょう。
本体価格以外にかかるお金とは
建て替えの負担は、新しい住戸の取得費用だけではありません。
工事の前後にも、さまざまなお金が必要になります。代表的な費用を、下の表に整理しました。
| 費用の種類 | 内容の目安 |
| 解体費用 | 1坪あたり5〜8万円ほど |
| 建築費用 | 鉄筋コンクリート造で1坪あたり約100万円 |
| 仮住まいの家賃 | 工事中の数年分が必要 |
| 引っ越し費用 | 退去と再入居で2回分 |
| 調査・設計費 | 専門家への支払い |
特に見落としやすいのが、仮住まいの家賃です。家賃20万円なら、3年でおよそ720万円もの出費になります。
本体価格に隠れた費用まで含め、資金計画を立てましょう。
建て替え費用を払えないときの3つの選択肢

建て替え費用を払えなくても、住まいを失うとは限りません。
個人として取れる現実的な道は、大きく次の3つに分かれます。
| 選択肢 | 向いている人 | 押さえておきたい点 |
| 融資を活用する | 住み続けたい人 | 返済が長く続く |
| 参加せず売り渡す | 費用を出せない人 | 修繕積立金は戻らない |
| 売却して住み替える | 住環境を変えたい人 | 立地で価格が変わる |
それぞれに向き不向きがあるので、自分の事情に合わせて選びましょう。
融資で負担を分散する
費用が足りないときに頼れるのが、融資制度です。
住宅ローンとは別に、建て替え向けの借り入れを使える場合があります。自治体や金融機関には、高齢者向けの返済方法を用意している例もあります。
全額を用意できなくても、月々の返済で負担を分けられます。
収入や年齢を踏まえ、無理のない範囲かを見極めましょう。
建て替えに参加せず持ち分を売り渡す
費用を負担したくないなら、建て替えに参加しない道もあります。賛成しない区分所有者は、売渡請求という形で持ち分の売却を求められるのです。
時価で賛成者や組合へ手放すため、住まいの価値はお金として戻ります。
積み立てた修繕積立金は返らない点に注意しましょう。
マンションを売却して住み替える
今のうちに売却して、別の住まいへ移る選択肢もあります。
得た資金は、住宅ローンの返済や次の住まいの購入費に充てられます。複数の会社に査定を頼み、価格を比べてから判断しましょう。
よくある質問(FAQ)|建て替え費用に関する疑問を解決
Q.マンションは築何年で建て替えるの?
A.建て替えの目安は築40〜50年ごろです。鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年とされますが、これは税務上の基準にすぎません。実際の寿命は管理や修繕の状態で大きく変わり、適切な手入れがあれば60年以上住める場合もあります。
Q.建て替えに反対するとどうなるの?
A.反対しても、建て替えそのものを止められるとは限りません。決議が成立すると、反対した区分所有者は持ち分を時価で売り渡すことになります。立ち退き料は出ませんが、売却代金は受け取れます。住み続けるか出るかを早めに決めておくと安心です。
Q.建て替え決議に必要な賛成割合は?
A.必要な賛成は、区分所有者と議決権の各5分の4以上です。2026年4月施行の区分所有法改正により、耐震性などの条件を満たす場合は4分の3に引き下げられました。自分のマンションがどちらに当たるかは、管理組合で確認しておきましょう。
まとめ|費用と選択肢を知り後悔しない判断を

マンションの建て替え費用は、1戸あたり約2000万円が目安です。
本体価格に加えて、仮住まいの家賃や引っ越し費用もかかります。それでも、費用を払えないときの道は残されています。
融資の活用、参加しない選択、売却して住み替える方法の3つです。
どれを選ぶかは、年齢や収入、家族の事情によって変わります。2026年の法改正で決議の条件も動き、再生の幅は広がりました。
まずは自分のマンションの状態と負担額を、管理組合で確かめましょう。早く動くほど、落ち着いて判断できる時間が生まれます。
費用と選択肢を知ることが、不安を行動へ変える出発点になります。