共用部のアップデートで物件価値を上げる方法|空室対策につながる

共用部のアップデートで物件価値を上げる方法|空室対策につながる

築年数の経過とともに、賃貸物件の競争力は徐々に低下していきます。

専有部のリフォームだけでは差別化が難しくなり、「なかなか空室が埋まらない」「家賃を下げないと決まらない」といった悩みを抱えるオーナーも少なくありません。

こうした状況で注目されているのが、共用部のアップデートです。

入居検討者は内見時、専有部だけでなくエントランスや駐輪場などの共用部から物件全体の印象を判断しています。

本記事では、物件価値の向上につながりやすい共用部改善の優先順位や費用感、注意点をオーナー視点でわかりやすく解説します。

この記事の3行まとめ

  • 共用部のアップデートは、入居者の第一印象を高め、空室対策や物件価値向上につながる
  • 宅配ボックスや防犯設備など、費用対効果の高い設備から優先的に改善することが重要
  • 物件特性や維持コストを踏まえて段階的にアップデートを進めることが成功のポイント

共用部のアップデートを検討している人は、参考にしてみてください。

なぜ共用部のアップデートが物件価値向上につながるのか

共用部の改善は、比較的少額な費用で物件全体の印象を底上げできる施策です。

まずは、なぜ共用部が重要視されるのかを整理しておきましょう。

入居者が共用部を重視する理由

入居希望者が物件を選ぶ際、最初に目にするのはエントランスや共用廊下、駐輪場といった共用部分です。

ここが暗い、汚れている、古びているといった印象を与えると、専有部を見る前に評価が下がってしまう可能性があります。

反対に、共用部が整備されている物件は「管理が行き届いている」「安心して住めそう」という印象につながりやすく、内見時の第一印象を大きく左右します。

賃料・入居率への影響

共用部の状態は、入居率や賃料設定にも間接的に影響します。

設備や管理状況が周辺物件より劣っている場合、同条件でも選ばれにくくなるためです。

特に築年数が近い競合物件が多いエリアでは、共用部の差がそのまま成約率の差になるケースも珍しくありません。

築年数が進むほど重要になる背景

築浅物件は専有部の新しさ自体が強みになりますが、築年数が進むほど設備差は縮まり、管理状態や共用部の印象が重要な判断材料になります。

そのため、築10年以降の物件では、専有部リフォームと並行して共用部の見直しを行うことが、競争力維持のポイントになります。

物件価値を高めやすい共用部アップデート

共用部の改善といっても、すべてに投資すればよいわけではありません。

費用対効果の高い設備から優先的に検討することが重要です。

宅配ボックスの設置

宅配ボックスは、現在の賃貸市場で特にニーズが高い設備の一つです。

共働き世帯やネット通販利用者の増加により、「不在時でも荷物を受け取れるか」は入居判断の重要なポイントになっています。

設置コストに対して入居者満足度の向上効果が高く、空室対策としても有効性が期待できる設備です。

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オートロック・防犯設備

防犯性の高さは、特に単身者や女性入居者にとって重視されるポイントです。

オートロックや防犯カメラの整備は、物件の安心感を高めると同時に、募集時の訴求力向上にもつながります。

エリアやターゲット層によって効果に差はありますが、中長期的な資産価値維持の観点でも検討価値の高い設備といえるでしょう。

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共用部Wi-Fi・通信環境

近年は、共用部でのインターネット環境整備も差別化要素の一つになっています。

特に若年層やテレワーク利用者が多い物件では、通信環境の充実が入居満足度に直結するケースがあります。

比較的導入ハードルが低く、付加価値向上施策として取り入れやすい点もメリットです。

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EV充電設備

EVの普及を背景に、集合住宅での充電設備ニーズも徐々に高まっています。

現時点では必須設備ではないものの、将来需要を見据えた差別化投資として注目されています。

ただし、電力容量や利用見込みによって費用対効果が変わるため、物件特性に応じた判断が重要です。

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ゴミ置き場・駐輪場の改善

見落とされがちですが、ゴミ置き場や駐輪場の整備は日常満足度に直結します。

整理整頓や動線改善、屋根設置など、比較的小規模な改善でも物件全体の印象向上につながります。

低コストでも効果が出やすい共用部改善策

大規模な設備投資が難しい場合でも、低コストで実施できる改善策は少なくありません。

まずは、即効性の高い施策から着手するのも有効な戦略です。

照明のLED化・明るさ改善

共用部が暗い物件は、古さや不安感を与えやすくなります。

LED照明への更新や照度の見直しは、比較的低コストで実施でき、第一印象の改善効果が期待できます。

エントランスの美観向上

エントランスは、物件の顔ともいえる部分です。

床材の部分補修やサインの整理、簡易的な装飾の見直しなどでも、印象は大きく変わります。

共用部清掃・管理品質の見直し

設備投資を行わなくても、清掃頻度や管理体制の見直しだけで印象が改善するケースもあります。

まずは、現状の管理品質を客観的に点検することが重要です。

サイン・掲示物の整理

古い掲示物や乱雑な張り紙は、管理状態への不信感につながります。

掲示ルールの整理や掲示板の更新など、小さな改善の積み重ねが全体印象を底上げします。

共用部アップデートの費用相場

共用部改善にかかる費用は、設備や建物条件によって差はあります。

代表的な費用目安は、次のとおりです。

宅配ボックス50~110万円
防犯カメラ8~10万円/1台
Wi-Fi10~20万円
EV充電設備130万円/一口

これらの設備は、家賃アップというより空室期間の短縮や競合物件との差別化によって効果が表れるケースが多い点も押さえておきましょう。

また、自治体によっては補助制度が利用できる場合もあるため、導入前の確認がおすすめです。

共用部改善を進める際の注意点

共用部のアップデートは有効な施策ですが、闇雲に投資すると費用対効果が合わないケースもあります。

ここからは、共用部の改善を進める際に気をつけたいポイントを紹介します。

過剰投資にならないための判断基準

周辺の競合物件と比較し、ターゲット入居者層にとって本当に必要な設備かを見極めることが重要です。

設備グレードだけを追求すると、回収が難しくなる可能性があります。

物件規模・立地との相性

都市部の単身向け物件と、郊外のファミリー向け物件では、有効な改善策が異なります。

ターゲットの特性に合わせて、アップデート施策を検討しなくてはいけません。

管理組合の合意形成(分譲の場合)

分譲マンションでは、共用部工事に管理組合の承認が必要になるケースがあります。

スケジュールや合意形成プロセスも事前に想定しておきましょう。

維持管理コストの見落とし

新規設備には、保守費用や更新費用が発生します。

導入時だけでなく、長期的な維持コストまで含めて検討することが重要です。

共用部アップデートが向いている物件の特徴

共用部改善の効果は、物件条件によって差が出ます。

比較的効果が出やすいのは、築10〜30年程度で設備面の競争力がやや低下している物件や、周辺に類似物件が多いエリアです。

こうしたケースでは、小〜中規模の改善でも差別化につながる可能性があります。

一方で、極小規模物件や駐車場・共用スペースがほとんどない建物では、改善余地が限られる場合もあります。

共用部改善は優先順位と費用対効果が重要

共用部のアップデートは、専有部リフォームと並ぶ有効なバリューアップ施策です。

ただし、すべての設備投資が収益改善につながるわけではありません。

物件特性や入居者ニーズを踏まえ、費用対効果の高い施策から優先的に取り組むことが重要です。

まずは小規模な改善から着手し、段階的に価値向上を図っていきましょう。

クラウド管理編集部
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