この記事の3行まとめ
- 管理委託費の適正相場を把握し、将来の資産価値を守るための賢い交渉術を解説
- 安さだけで選ぶのは危険!財務基盤や担当者の業務量など信頼できる管理会社の見極め方
- 質を維持したまま費用を抑える3つの秘策「一部委託・相見積もり・オプション見直し」
一生に一度の大きな買い物であるマンション購入。「絶対に失敗したくない」と誰もが思うはずです。しかし実際には、「立地」や「間取り」ばかりに気を取られ、資産価値の命綱ともいえる「管理状態」のチェックがおろそかになっている人が少なくありません。
その結果、入居後に修繕積立金が急激に跳ね上がったり、売りたい時に買い手がつかない事態に陥ったりするケースが後を絶たないのです。そこで本記事では、FP資格を持つ筆者が、プロ視点での「資産価値の見極め方」を3つに厳選して解説します。
なぜ「マンションは管理を買え」と言われるの?管理と資産価値の深い関係

「マンションは管理を買え」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。これは、マンションの資産価値が建物の古さだけでなく、日々のメンテナンスや運営状況によって大きく左右されるからです。どんなに素晴らしい立地に建つマンションでも、管理がおろそかであれば、建物は急速に劣化し、居住者の満足度も低下します。
逆に、築年数が古くても適切な管理が行われていれば、快適な住環境が保たれ、高い資産価値を維持することが可能です。ここでは、管理の質がどのようにお金(資産価値)に直結するのか、そのメカニズムを解説します。
管理がずさんだと「資産価値が下がってしまう」理由
管理が不十分なマンションは、将来的に建物がボロボロになり、誰も住みたがらない「廃墟」のような状態になってしまうリスクがあります。適切な清掃や修繕が行われないと、外観や共用部分は汚れてしまい、マンションとしての魅力がなくなってしまいます。さらに、管理組合が機能していないと、お金(修繕積立金)が足りなくなったり、管理費を払わない人が増えたりといった問題も放置されがちです。
こうした状況が悪化すると、建物を直す工事すらできなくなり、安全に住むことさえ難しくなります。
しっかりした管理だと「将来も高く売れる」理由
管理体制が盤石なマンションは、中古市場でも高い評価を得やすく、高値での売却が期待できます。長期的な視点で修繕計画が立てられ、計画通りにメンテナンスが実施されている物件は、購入検討者にとって大きな安心材料です。
建物がきれいに保たれているだけでなく、将来の負担費用も見通しやすいため、相場よりも高い価格でも購入したいと考える人が現れます。つまり、良質な管理は建物の寿命を延ばすだけでなく、所有者の資産を守り、将来的な売却益を最大化するための投資そのものと言えます。
FPが教える!資産価値が落ちない管理の「3つの見極めポイント」

では、具体的にどのような点を確認すれば、管理の良いマンションを見抜けるのでしょうか。素人には判断が難しいと思われがちですが、実はポイントさえ押さえれば、誰でもチェックすることは可能です。ここでは、ファイナンシャルプランナーの視点から、特に経済的なリスクや運営の健全性を測るための重要な指標を3つ紹介します。
①修繕積立金と将来の計画に無理はないか
最も重要なのは、建物の維持管理に使われる「修繕積立金」の状況です。これが破綻していると、将来的に一時金の徴収や大幅な値上げが発生し、家計を直撃します。
以下の3つの観点でチェックを行ってください。
- 積立金の額:相場と比較して極端に安すぎないか確認する。安すぎる場合は将来の不足リスクが高いです。
- 滞納額:管理費や修繕積立金の滞納が常態化していないか確認する。滞納が多いと管理組合の資金繰りが悪化します。
- 修繕計画:長期修繕計画が定期的に(5年程度ごとに)見直されているか確認する
これらが健全であれば、計画的に資産価値が維持される可能性が高いと言えます。
②話し合いの記録(議事録)で住民の活動を確認
管理組合の総会議事録は、そのマンションの「健康診断書」のようなものです。不動産会社を通じて、直近数年分の議事録を見せてもらうことをおすすめします。議事録を確認する際は、活発な議論が行われているかに注目してください。
「異議なし」ばかりで短時間で終了している総会よりも、修繕や規約について真剣な意見交換がされている方が、住民の当事者意識が高い証拠です。また、過去にどのようなトラブルがあり、それをどう解決したかの履歴も分かります。騒音問題やマナー違反への対応履歴を見ることで、入居後の生活環境もイメージしやすくなります。
③ゴミ置き場や掲示板がきれいに使われているか
現地内覧の際に必ず見てほしいのが、ゴミ置き場と掲示板の状況です。これらは住民のモラルと管理会社の清掃能力が表れる場所です。
見るべきポイントは以下の通りです。
- ゴミ置き場:分別が守られているか、収集日以外にゴミが放置されていないか、悪臭がないかを確認する。
- 掲示板:古い掲示物が貼られたままになっていないか、重要なお知らせが整理されているかを確認する。
これらが整備されているマンションは、管理が行き届いており、住民同士のルール遵守意識も高い傾向にあります。日常的な管理レベルの高さは、長期的な資産価値維持の基盤となります。
まとめ|管理の良さを見極めて「資産」になるマンションを選ぼう

本記事では、マンション管理と資産価値の密接な関係と、購入時にチェックすべき3つのポイントについて解説しました。改めて強調したいのは、管理の質こそが資産価値に直結するという点です。
ずさんな管理は将来的な価値の低下を招くため、まずは修繕積立金の計画と積立状況を必ず確認して、金銭的な破綻リスクを回避しなければなりません。あわせて、議事録や共用部分の現状から、管理組合の活発さと住民のモラルを見極めることも大切です。
これらを実践することで、長く安心して住めるだけでなく、将来的な資産としても価値のあるマンションを手に入れることができます。まずは、気になる物件の「長期修繕計画書」と「総会議事録」を取り寄せ、数字と実態を確認することから始めてみましょう。