相続税が激減!?2025年税制改正を味方につけるマンション投資戦略

相続税が激減!?2025年税制改正を味方につけるマンション投資戦略

この記事の3行まとめ

  • 2025年度税制改正でも相続税の基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人数」は維持。一方で非課税措置の延長や事業承継要件の緩和が実施された
  • 結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置は2027年3月末まで延長。マンション投資との併用で長期的な資産移転が可能
  • マンション投資は「評価額の圧縮(市場価格の約4〜6割)」と「借入金の負債控除」で相続税対策として高い効果を発揮する

「相続税が思った以上に高そうで不安」「保有している現金や不動産をどう次世代に引き継げばいいのか分からない」——そう感じている方は少なくありません。特に2015年(平成27年)の改正で基礎控除が4割引き下げられて以降、これまで相続税とは無縁だった世帯にも課税が及ぶケースが急増しています。

本記事では、2025年度(令和7年度)の税制改正の最新ポイントを整理したうえで、なぜマンション投資が相続税対策として有効なのか、具体的な評価額の圧縮メカニズムや費用感を交えながら、専門的かつ分かりやすく解説します。不動産投資を検討している方も、すでにアパート・マンションを所有しているオーナーの方も、ぜひ最後までご覧ください。

目次

2025年度相続税制改正の最新ポイント

2025年度(令和7年度)の税制改正では、相続税の基礎控除額に変更はなく、引き続き「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という計算式が適用されます。この基礎控除額は平成27年の改正で引き下げられて以降、現行水準のまま据え置かれています。

基礎控除額の計算例

まずは自分の家庭で「いくらまで非課税になるのか」を把握しておきましょう。法定相続人の人数によって基礎控除額は次のように変わります。

法定相続人の数基礎控除額計算式
1人(配偶者のみ等)3,600万円3,000万+600万×1
2人(配偶者+子1人)4,200万円3,000万+600万×2
3人(配偶者+子2人)4,800万円3,000万+600万×3
4人(配偶者+子3人)5,400万円3,000万+600万×4

相続財産の合計がこの基礎控除額を超えた部分に対して、相続税が課税されます。たとえば法定相続人が3人で相続財産が8,000万円の場合、基礎控除4,800万円を差し引いた3,200万円が課税対象となります。

2025年度改正の主な3つのポイント

  1. 結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置が2年延長:令和9年(2027年)3月31日まで適用可能となりました。これにより、子や孫への資産移転を計画的に進める時間的余裕が確保されます(非課税枠は1人あたり最大1,000万円、うち結婚関連は300万円まで)。
  2. 個人事業用資産に係る贈与税の納税猶予制度の要件緩和:従来の「贈与の日まで3年以上事業に従事」という要件が、「贈与の直前において事業に従事していること」へと変更され、適用しやすくなりました。
  3. 相続登記等に係る登録免許税の免税措置が2年延長:相続による土地の所有権移転登記などについて、引き続き登録免許税の免税措置が受けられます。資産承継をスムーズに進めやすくなりました。

これらの改正は、いずれも「世代間の資産移転を後押しする」方向性で行われています。基礎控除こそ据え置かれたものの、贈与や事業承継を活用した相続対策の選択肢はむしろ広がったといえるでしょう。

相続税対策としてのマンション投資の有効性とは

マンション投資が相続税対策として有効な最大の理由は、不動産の相続税評価額が市場価格(時価)より低く算定される点にあります。現金1億円はそのまま1億円として評価されますが、同じ1億円で購入したマンションの相続税評価額は、土地・建物の評価方法や賃貸による減額を経て、おおよそ4,000万〜6,000万円程度まで圧縮されるケースが一般的です。

さらに、借入金(ローン)は相続財産から控除できるため、ローンを活用して不動産を取得すれば、資産と負債のバランスを取ることで課税対象をいっそう軽減できます。

主な相続税対策手法の比較

相続税対策手法メリットデメリット節税効果の目安
現金保有流動性が高く管理が容易額面通り(100%)で評価される★(なし)
マンション投資(賃貸)評価額の圧縮・負債控除・家賃収入が得られる管理・維持の手間、空室・価格下落リスク★★★★★
生前贈与計画的な資産移転が可能贈与税・相続開始前の加算期間に注意★★★
生命保険非課税枠(500万×法定相続人)あり節税幅は限定的★★

上記のとおり、マンション投資は「評価額の圧縮」「負債控除」「収益性」の3つを同時に満たせる点で、他の手法より総合力が高いといえます。ただし、節税効果が大きい分、後述するリスク管理が不可欠です。

なぜマンションは評価額が下がるのか(仕組みと具体例)

マンションの相続税評価額は「土地」と「建物」に分けて算定され、それぞれに減額の仕組みが働きます。具体的な評価の流れを見てみましょう。

建物部分は「固定資産税評価額」で評価

建物の相続税評価額は固定資産税評価額が基準となり、これは一般的に建築費(時価)の約50〜70%程度になります。さらに賃貸に出している場合は「借家権割合(全国一律30%)」を差し引けるため、評価額がいっそう下がります。

土地部分は「路線価」と「貸家建付地評価」で減額

土地は路線価方式で評価され、路線価は公示地価の約80%に設定されています。賃貸物件が建つ土地(貸家建付地)はさらに「借地権割合×借家権割合×賃貸割合」分が減額されます。

評価額圧縮のシミュレーション例

1億円(土地5,000万円・建物5,000万円)の賃貸マンションを現金で購入した場合の、ざっくりとした評価額の変化イメージは次のとおりです(数値は一例であり、実際は物件・地域により異なります)。

項目購入額(時価)相続税評価額の目安圧縮率
土地(貸家建付地)5,000万円約3,400万円約32%減
建物(貸家)5,000万円約2,100万円約58%減
合計1億円約5,500万円約45%減

このように、現金1億円を賃貸マンションに換えるだけで、相続税評価額を約5,500万円まで圧縮できる可能性があります。さらに借入金を活用すれば、負債控除によって課税価格をいっそう抑えられます。

マンション投資で相続税を抑える主な方法

マンション投資による相続税対策は、評価額の圧縮効果と負債控除の仕組みを組み合わせることで実現します。ここでは実務で活用できる代表的な手法を詳しく見ていきましょう。

1. 小規模宅地等の特例を利用する

マンション経営を事業として行っている場合、小規模宅地等の特例により土地評価額を大幅に減額できます。賃貸事業用宅地等に該当すれば、200㎡までの部分について評価額を50%減額できます。

宅地の区分限度面積減額割合
特定居住用宅地等(自宅)330㎡80%減
特定事業用宅地等400㎡80%減
貸付事業用宅地等(賃貸物件)200㎡50%減

自宅敷地と賃貸物件の敷地を併用することで、減額幅を組み合わせて拡大することも可能です。なお、貸付事業用宅地等については「相続開始前3年以内に新たに貸付事業を始めた宅地」は原則として対象外となるため、早めの取り組みが重要です。

2. 借入金による負債控除を活用する

ローンを利用してマンションを購入すると、取得した資産と同額の負債(借入金残高)を相続財産から控除できます。資産は評価額が圧縮される一方、負債は額面通りに控除されるため、両者の差額分だけ課税価格を実質的に圧縮できる仕組みです。

たとえば、1億円を借り入れて評価額5,500万円の賃貸マンションを取得した場合、資産5,500万円から借入金1億円を差し引くと、計算上は▲4,500万円となり、他の財産(現預金など)の課税価格を圧縮できます。ただし過度な借入は次章のリスクにも直結するため、返済計画とのバランスが欠かせません。

3. 生前贈与・各種非課税措置と併用する

2025年度改正で延長された「結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置」や、相続時精算課税制度の年間110万円基礎控除などを組み合わせることで、マンション投資による評価圧縮効果をさらに高められます。生前から計画的に資産を移転することで、相続発生時の課税価格を抑えられます。

相続税対策チェックリスト

  • 現在の資産と将来の相続税額を試算する
  • 不動産投資の収益性と節税効果を比較検討する
  • 小規模宅地等の特例の適用条件(特に3年縛り)を確認する
  • 借入条件と返済計画を明確に立てる
  • 生前贈与を含めた長期資産承継計画を検討する
  • 遺産分割でもめないよう遺言書の作成を検討する

実際に、マンション投資と小規模宅地等の特例を組み合わせることで、土地評価額を大幅に減額し、相続税負担を数百万円〜数千万円規模で軽減できた事例も少なくありません。

マンション投資による相続税対策の注意点・リスク

節税効果が大きいマンション投資ですが、安易に取り組むと逆に資産を減らしかねません。事前に押さえておくべき主なリスクを整理します。

  • 空室・家賃下落リスク:想定どおりの家賃収入が得られず、ローン返済が家計を圧迫する可能性があります。立地・需要の見極めが最重要です。
  • 物件価格の下落リスク:売却時に購入額を大きく下回ると、節税分を上回る損失が出ることもあります。
  • 過度な節税目的への否認リスク:明らかに相続税回避だけを目的とした極端な購入は、税務上「行き過ぎた節税」として評価が認められないケースがあります(過去には最高裁判例も存在)。実需と収益性を伴った投資であることが前提です。
  • 遺産分割の難しさ:不動産は現金のように簡単に分けられず、相続人間でトラブルになることがあります。

これらのリスクを踏まえ、「節税効果」だけでなく「投資として成立するか」を冷静に判断することが、失敗しない相続

税対策の鉄則です。節税はあくまで「結果」として得られるものと捉え、まずは健全な不動産投資として成立するかを軸に検討しましょう。

専門家への相談で失敗を防ぐ

相続税対策としてのマンション投資は、税法・不動産・金融が複雑に絡み合う高度な判断を伴います。自己判断だけで進めるのではなく、それぞれの分野の専門家に相談することで、リスクを最小化しながら効果を最大化できます。

  • 税理士:相続税の試算、評価圧縮効果のシミュレーション、税務リスクの確認
  • 不動産会社・FP:物件の収益性、立地評価、キャッシュフロー計画の策定
  • 弁護士・司法書士:遺言書の作成、遺産分割対策、登記手続き

特に2025年税制改正の内容を正確に反映した試算は、最新情報に精通した専門家でなければ難しい場合があります。複数の専門家がチームとして連携できる体制を整えることで、より安心して資産承継を進められるでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 2025年税制改正でマンション投資の相続税対策効果は弱まりましたか?

2024年から導入されたマンションの相続税評価額の新ルール(市場価格との乖離を補正する仕組み)により、タワーマンションなどで極端な評価圧縮を狙う手法は効果が限定的になりました。ただし、賃貸マンション投資による「貸家建付地」「貸家」評価減や、小規模宅地等の特例といった基本的な評価圧縮効果は引き続き有効です。改正後も、実需と収益性を伴った適正な投資であれば、十分な節税メリットが期待できます。

Q2. 借入金(ローン)を使ったマンション投資は相続税対策になりますか?

はい、借入金は相続時に債務として相続財産から控除できるため、課税価格を圧縮する効果があります。例えば1億円を借り入れてマンションを購入した場合、その借入残高は債務控除の対象となります。ただし、返済が滞ると家計を圧迫し、最悪の場合は物件を手放すリスクもあります。借入はあくまで返済可能な範囲にとどめ、無理のない資金計画を立てることが重要です。

Q3. 相続直前にマンションを購入しても節税効果はありますか?

相続直前の購入は、税務署から「相続税回避のみを目的とした行為」とみなされ、評価圧縮が否認されるリスクが高まります。過去には、相続開始直前に多額の借入で不動産を購入したケースで、路線価評価ではなく時価評価が適用された最高裁判例もあります。節税効果を確実なものにするためには、できるだけ早い段階で計画的に取り組み、実需や収益性を伴った投資として継続的に運用することが大切です。

Q4. 小規模宅地等の特例はマンション投資でも使えますか?

賃貸マンションの敷地は「貸付事業用宅地等」として、200㎡まで評価額を50%減額できる場合があります。ただし、相続開始前3年以内に新たに貸付事業を始めた宅地は原則対象外となる「3年縛り」のルールがあるため注意が必要です。継続的に賃貸経営を行っている場合に有効な特例なので、適用条件を税理士に確認しながら計画を立てましょう。

まとめ

2025年の税制改正を踏まえた相続税対策としてのマンション投資について解説してきました。最後に、重要なポイントを振り返ります。

  • マンション投資は「貸家建付地」「貸家」評価減や債務控除により、相続税の課税価格を大きく圧縮できる
  • 小規模宅地等の特例や生前贈与制度を組み合わせることで、節税効果をさらに高められる
  • 2024年以降の評価ルール改正で過度な圧縮は難しくなったが、適正な投資なら効果は健在
  • 空室・価格下落・税務否認・遺産分割といったリスクを十分に理解する
  • 節税は「結果」と捉え、まず投資として成立するかを冷静に判断する
  • 税理士・FP・弁護士など専門家と連携し、早めに計画を立てることが成功の鍵

マンション投資による相続税対策は、正しく取り組めば数百万円から数千万円規模の節税が期待できる強力な手段です。一方で、安易な節税目的だけで進めると、かえって資産を減らすリスクもあります。大切なのは「節税効果」と「投資としての健全性」の両立です。

2025年税制改正という変化を味方につけ、ご自身やご家族にとって最適な資産承継の形を実現するために、まずは現状の相続税額を試算し、信頼できる専門家への相談から第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。早めの準備こそが、円滑で安心できる相続への近道です。

クラウド管理編集部
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