「宅配ロッカーを導入したいけれど、実際いくらかかるのか知りたい」
「導入費用だけでなく、維持費や注意点もまとめて理解したい」
そんな管理会社やオーナーの方に向けて、宅配ロッカーの導入費用相場、初期費用とランニングコストの考え方、導入前に確認したいポイントまで、マンション管理の視点で分かりやすく整理していきます。
この記事の3行まとめ
- 宅配ロッカーは、導入費用だけでなく本体+工事+維持費を含めて考える
- 種類や設置条件によって相場は大きく変わり、補助金が使えるケースもある
- 入居者満足度や物件価値の向上につながる
まずは、なぜ今これほど宅配ロッカーの導入が増えているのかを見ていきましょう。
宅配ロッカー導入が増えている理由

宅配ロッカーが注目される背景には、いくつかの社会的な変化があります。
再配達の増加による配送負担の問題に加え、ネットショッピングが生活の一部となり、住まいで荷物を安全に受け取れることの重要度が高まりました。
さらに、共働き世帯や単身世帯が増え、不在時でも荷物を受け取れる宅配ロッカーは、入居者にとって大きな安心感につながります。
最近では、設備として宅配ロッカーがあるだけで、「このマンションは便利そう」「管理が行き届いていそう」と評価されるケースも増えており、物件価値を高める役割も担うようになっています。
宅配ロッカーの種類と特徴

宅配ロッカーと一口にいっても、いくつかのタイプがあります。
導入を考えるうえで、それぞれの特徴を把握しておくことが大切です。
機械式
ダイヤル式宅配ロッカーとも呼ばれ、電源を使わずに運用できます。
本体価格が比較的抑えやすく、故障リスクも少ないのが大きな魅力です。
その一方で、利用履歴の管理や細かな運用には限界があり、管理面で手作業が増えるケースもあります。
電気式
電気式宅配ロッカーは、暗証番号やICカードで開閉でき、利用履歴をシステム上で管理できます。
セキュリティ性が高く、不正利用やトラブルにも対応しやすいというメリットがあります。
ただし、電源の確保やシステム利用料が必要となるため、機械式に比べると導入費用は高めになります。
屋内タイプと屋外タイプ
基本的に、宅配ロッカーは屋内設置が前提ですが、共用部のスペースが足りない場合は屋外設置になることもあります。
屋外タイプは、防水性・防錆性・防犯性などを強化する必要があり、その分費用が高くなる傾向があります。
宅配ロッカーの導入費用相場

宅配ロッカーの導入費用は、種類やサイズ、設置条件によって大きく変わります。
ここからは、おおまかな目安を紹介します。
機械式の費用目安
機械式の宅配ロッカーは、1台5~10万円程度で導入できます。
設置方式や台数で費用が異なり、置き型タイプで5万円前後、アンカー固定タイプで10万円前後が目安です。
電気式の費用目安
電気式の場合は、本体に加えてシステム費用や電源工事が必要です。
費用は100~300万円程度が目安になります。
機械式よりも費用は高くなりますが、修理やメンテナンスは修繕費から支払いが可能です。
設置工事で追加費用が発生しやすいポイント
同じ宅配ロッカーでも、建物条件によって総額が大きく異なります。
導入を検討する際は、必ず現地調査を行い、そのうえで正式な見積もりを取ることが大切です。
宅配ロッカーの設置工事で追加費用が発生しやすい項目は、以下の通りです。
- 電源や配線を新設する場合
- 基礎工事や床補強が必要な場合
- 設置場所の移設やレイアウト変更が必要な場合
導入後にかかる維持費・ランニングコスト

宅配ロッカー導入後は、一定の維持費がかかります。
代表的なものとしては、下記のコストが挙げられます。
- 保守契約や定期点検の費用
- 鍵や部品の交換・修理費用
- 電気式の場合のシステム利用料や電気代
また、トラブルが発生した際に、誰が対応するのか、どこまでを管理会社やオーナーが負担するのかといった運用ルールも検討しなくてはいけません。
マンション管理コストの見直し術|共用部・設備維持費を抑える具体策
設置場所と設置数の目安

宅配ロッカーは、エントランスや共用部の通り道など、住民が自然に立ち寄れる場所に設置されるケースが多いです。
出入り口から近く、明るく人目のある場所であれば、利便性だけでなく防犯面でも安心です。
設置数については、よく総戸数の約4割が目安として挙げられます。
とはいえ、家族世帯が多いのか単身者が多いのか、ネット通販の利用頻度がどの程度かによっても最適な数は変わります。
設置数はあくまで目安として捉え、物件の特徴や利用状況を踏まえながら検討していくことが大切です。
宅配ロッカー導入で利用できる補助金

宅配ロッカーの導入には、条件が合えば自治体が独自に実施する補助金や助成金を活用できる場合があります。
ただし、制度の内容は年度や自治体によって変わるため、使える可能性があるか確認することが大切です。
補助金を上手に活用できれば、導入費用の負担を抑えながら、必要な設備を整えることができます。
導入前に確認しておきたい注意点

宅配ロッカーはとても便利な設備ですが、運用面で注意すべきポイントがあります。
まず、荷物が長期間取り出されずに放置されてしまうケースがあります。
ロッカーが占有され続けると、ほかの入居者が使えなくなり、トラブルの原因になりかねません。
また、大きな荷物や特殊な形状の荷物は入らない場合があり、その際の対応方法もあらかじめ考えておく必要があります。
さらに、盗難や誤配といった万一のトラブルにどう備えるかも重要です。
こうしたリスクを減らすためにも、事前に利用ルールや管理体制をはっきりさせ、入居者へ分かりやすく周知する必要があります。
導入だけでなく、運用まで見据えて仕組みづくりをしておくことで、宅配ロッカーをより安心・便利に活用できます。
宅配ロッカーは空室対策にもつながる投資設備

宅配ロッカーの導入は、マンション全体の利便性を高め、物件そのものの価値を底上げする取り組みです。
再配達の削減や入居者満足度の向上に加えて、物件の魅力アップや空室対策にもつながる可能性があります。
費用だけで判断するのではなく、将来にわたってどんな効果が期待できるのかまで含めて検討することが大切です。
まずは、自分たちのマンションにはどのタイプが適しているのか、導入費用や維持費がどの程度かかるのかを整理し、実績のある事業者へ相談してみるところから始めてみてください。