融資審査に通るための8つの重要ポイント【2025年最新版】

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融資を申し込みたいけど、審査に通るか不安... 不動産投資や事業拡大のための融資審査に悩むオーナーの皆さん、私は銀行で10年以上融資審査担当を務め、現在は融資コンサルタントとして年間100件以上の審査サポートを行っています。

融資審査には明確な判断基準があり、それを理解して適切な準備をすれば、承認率は平均30%以上向上します。本記事では、2025年最新の融資審査基準と対策を徹底解説します。この記事を読むことで、銀行員が密かに重視している審査ポイントが分かり、具体的な対策が立てられるようになります。

融資審査の仕組みと2025年の変化

融資審査の仕組みを表す黒板イメージ|融資審査の流れと2025年の変化

融資審査は主に「融資可否の判断」「融資金額・条件の決定」の2段階で行われます。
金融機関は出資や投資と異なり、融資は必ず返済が必要なため、返済能力を最重視します

融資環境の主要変化
  • 金利上昇傾向
  • 審査基準の厳格化(特に新規事業)
  • ESG要素の重視
  • デジタル取引データの活用
融資審査の流れと重要ポイント|事前準備から申込・相談、書類審査、実地調査、融資判断・条件提示、契約・実行までのプロセス
融資審査は 事前準備 → 申込・相談 → 書類審査 → 実地調査 → 融資判断・条件提示 → 契約・実行 の6ステップで進みます。

出典:日本政策金融公庫【融資のお申し込みの流れ】2025年3月

融資種類別の比較表|都市銀行融資・日本政策金融公庫・信用金庫・ビジネスローン・クラウドファンディングの審査難易度、金利水準、特徴、利用シーン
都市銀行、公庫、信用金庫、ビジネスローン、クラウドファンディングを比較。審査難易度・金利・利用シーンを一覧で確認できます。

融資審査で重視される8つのポイント

融資審査で重視される8つの重要ポイントを表すイメージ|返済能力・財務状況・事業計画など

1. 返済能力の証明


金融機関が最も重視するのは返済能力です。審査では以下の観点から判断されます:

融資審査における主要評価ポイント
  • 収益性:十分な利益が出ているか
  • 安定性:安定した返済が見込めるか
  • 成長性:将来的な返済能力の向上

具体的な返済財源(過去の決算書に基づく安定利益、将来の収益予測、確実な売掛金回収など)を明確に示すことが重要です。

2. 財務状況の健全性


決算書をベースに以下の指標が重要視されます:

財務健全性チェック項目
  • 自己資本比率:20%以上が望ましい
  • 債務償還年数:5年以内が理想的
  • 流動比率:150%以上が健全
  • 固定長期適合率:100%以下が必要

出典:中小企業庁【中小企業の会計に関する基本要領

出典:中小機構【経営自己診断システム

3. 事業計画の実現性


特に創業融資では、事業計画の実現性が重要です:

事業計画の評価ポイント
  • 市場分析の妥当性
  • 売上予測の根拠
  • 具体的な販売戦略
  • リスク分析と対策

計画は「絵に描いた餅」ではなく、具体的な数値と根拠が必要です。

4. 担保・保証人の有無


特に以下のケースでは担保や保証人の重要度が増します:

担保・保証人の確認項目
  • 創業間もない企業
  • 財務状況に不安がある場合
  • 大型設備投資の融資
  • 過去に返済問題があった場合

5. 経営者の資質と信用力


審査では経営者自身も評価されます:

経営者評価のチェック項目
  • 経営能力:業界経験や実績
  • 技術力:専門知識やスキル
  • 信用情報:個人的な借入履歴
  • 自己資金:経営者の投資額

6. 業界動向と市場性


事業環境も重要な審査要素です:

業界・市場性の評価ポイント
  • 業界の成長性
  • 市場の安定性
  • 参入障壁の高さ
  • 社会的需要

7. 資金使途の明確性


融資金の使途も重要です:

資金使途の確認ポイント
  • 具体性:何にいくら使うか
  • 必要性:なぜ必要か
  • 効果:投資リターンの見込み
  • 整合性:事業計画との一貫性

8. 個人信用情報の状態


特に個人事業主や中小企業の場合、経営者の信用情報が重要です:

信用情報の確認項目
  • 返済遅延履歴
  • 多重債務
  • 債務整理歴
  • 申込履歴

個人信用情報は3つの機関(CIC、JICC、KSC)で管理され、融資審査時に照会されます。

出典:CIC【指定信用情報機関公式サイト

出典:JICC【日本信用情報機構公式サイト

出典:KSC【全国銀行個人信用情報センター

審査通過のための事前準備

融資審査に通過するための事前準備イメージ|決算書の整備や信用情報の確認など

決算書の健全化


融資審査の主要判断材料となる決算書は、日頃から健全に保ちましょう

決算書準備のチェック項目
  • 利益の適正化:極端な節税対策は避ける
  • 自己資本の充実:内部留保を高める
  • 借入金の整理:短期借入の長期化など
  • 粉飾決算の厳禁

「節税」と「融資」のバランスが重要です。

信用情報の確認と改善


個人信用情報は審査に大きく影響します:

信用情報準備のチェック項目
  • 定期的な確認:年1回は開示請求
  • 延滞の解消:クレジットやローンの延滞は即解消
  • 多重申込の回避:短期間に複数申込みしない
  • 情報の更新:誤りがあれば訂正依頼

金融機関との関係構築


日頃からの関係も審査結果に影響します:

金融機関連携の準備項目
  • 定期的な訪問:年2〜4回の定期訪問
  • 経営状況の報告:好調時こそ報告
  • 預金取引の維持:安定した預金残高
  • 経営相談の活用

「困ったときだけ連絡」ではなく、良好な関係構築が重要です。

審査に落ちる主な原因と対策

融資審査に落ちる主な原因と対策を示すイメージ|財務悪化や信用情報の問題と改善策

赤字決算・債務超過


最も審査に影響するのが財務状況の悪化です。

財務改善のリスク対策
  • 黒字化の収益改善計画
  • 役員報酬調整での利益確保
  • 増資や資本性ローン活用
  • 遊休資産売却

複数期連続赤字は大きなマイナス要因のため、1期でも黒字化を目指しましょう。

出典:日本政策金融公庫【融資ガイド

出典:ドリームゲート【事業計画サポートツール

信用情報の問題


個人信用情報の問題も審査落ちの大きな原因です。

信用情報改善のリスク対策
  • 延滞中の借入は即時返済
  • 信用情報の開示請求
  • 情報の保有期間経過を待つ
  • 少額融資から信用回復

事業計画の不備


特に創業融資では、事業計画の不備が審査落ちの主因です。

事業計画改善のリスク対策
  • 競合分析や市場調査徹底
  • 売上予測の根拠を数値で
  • リスク分析と対策を明記
  • 専門家のアドバイス活用

面談対策:審査担当者を納得させる話し方

融資審査の面談対策イメージ|担当者を納得させるための話し方や回答例

よく聞かれる質問と模範回答


1. 事業の強みは?

模範回答のポイント
  • NG回答:「品質の高さです」
  • 良い回答:「業界平均より30%高い顧客満足度です。具体的には...」

2. なぜこの金額が必要?

模範回答のポイント
  • NG回答:「事業拡大のため」
  • 良い回答:「設備導入300万円、原材料200万円、人材採用100万円の計600万円が必要です」

3. 返済見通しは?

模範回答のポイント
  • NG回答:「売上が伸びれば返済できます」
  • 良い回答:「月商の15%を返済に充て、最悪でも既存事業から確実に返済可能です」

信頼を獲得するコミュニケーション術


信頼を得るためのポイント
  • 誠実さ:悪い情報も隠さない
  • 一貫性:矛盾のない説明
  • 具体性:数字を含む説明
  • 準備の良さ:想定質問への準備
  • 謙虚さ:現実的な姿勢

まとめ:融資審査に通るための重要ポイント

融資審査に通るための重要ポイントを示すイメージ|返済能力・財務健全性・信用情報管理などのまとめ
融資審査に通る8つの重要ポイント
  • 返済能力の証明: 安定した収益力と具体的な返済計画
  • 健全な財務状況: 適切な自己資本比率と債務バランス
  • 信用情報の管理: 個人・法人の信用情報問題の解消
  • 具体的な事業計画: 根拠ある数値と実現可能な計画
  • 明確な資金使途: 具体的かつ事業関連の使途
  • 信頼関係の構築: 金融機関との良好な関係
  • 準備の徹底: 必要書類の事前準備と面談対策
  • 誠実な対応: オープンで誠実なコミュニケーション

融資審査は「お願い」ではなく、「確実に返済できる計画がある」という「提案」として臨みましょう

今日から実践できる3つのアクション
  • 自分の信用情報を確認する
  • 決算書を理解し改善点を洗い出す
  • 具体的数値に基づく事業計画を作成する

よくある質問(FAQ)

よくある質問FAQのイメージ|青いクエスチョンマークとFAQの文字、四つ葉のクローバー

Q1: 創業間もない場合、融資を受けるには?


A: 事業計画の精度を高め、自己資金を確保(融資希望額の10〜30%)し、業界経験をアピールしましょう。日本政策金融公庫の創業融資も検討してください。

Q2: 過去に審査に落ちた場合、再申込みはいつから?


A: 落ちた理由を解決後、前回から3〜6ヶ月経過してから再申込みを検討しましょう。短期間の再申込みは「申込ブラック」とみなされる場合があります。

Q3: 個人信用情報に問題がある場合は?


A: 担保価値の高い不動産担保融資、信用保証協会保証付き融資、第三者保証人付き融資、またはノンバンクなどの比較的審査基準が緩やかな金融機関の利用を検討しましょう。

著者

クラウド管理編集部

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