この記事の3行まとめ
- 医師は減価償却と損益通算で所得税を圧縮できる
- 建物比率の高い物件選びが節税効果を左右する
- 節税だけで判断すると赤字物件をつかむリスクがある
「年収は上がったのに、手取りが増えない」と感じることはありませんか?累進課税により年収1,500万円超の勤務医は、税率が約50%に達します。iDeCoや生命保険料控除では控除枠が小さく、高所得の医師には効果が限定的です。
そこで注目されるのが、マンション投資による節税です。この記事では、節税の仕組みと失敗を避ける注意点を解説します。
医師のマンション投資が節税に強い3つの理由

医師は高収入ゆえに税負担が重く、節税ニーズの高い職業です。マンション投資が有効とされる理由は、減価償却・損益通算・物件選びの3点にあります。
累進課税の高税率を減価償却で圧縮できる
医師の給与所得は累進課税の対象で、年収が上がるほど税率も高くなります。年収1,500万円なら所得税と住民税をあわせた税率はおよそ50%です。
マンション投資では、建物の購入費用を「減価償却費」として毎年経費に計上できます。減価償却費は実際にお金が出ていかない帳簿上の経費です。手元の現金を減らさずに所得を圧縮し、税負担を軽くできます。
たとえば、耐用年数を超えた築古の木造物件は、4年で減価償却が完了します。1年あたりの経費計上額が大きくなり、高税率の医師ほど恩恵を受けやすい仕組みといえるでしょう。
損益通算で給与所得から税金を取り戻せる
減価償却費によって生じた帳簿上の赤字は、給与所得と「損益通算」できます。不動産所得の赤字を本業の所得から差し引ける制度です。
給与所得3,000万円の医師が不動産所得で500万円の帳簿上の赤字を出した場合、課税対象は2,500万円に圧縮されます。年間約200万円の節税が見込める計算です。
家賃でローンを返しながら、減価償却費で所得を圧縮していく仕組みがマンション投資で節税できる理由です。
建物比率の高い物件を選ぶと節税効果が上がる
減価償却の対象は建物部分のみで、土地は対象外です。購入価格に占める建物の割合が高いほど、1年あたりの減価償却費は大きくなります。建物比率が高い物件の特徴は以下の通りです。
- 都心よりも地方や郊外に位置する物件
- RC造よりも木造や軽量鉄骨造の物件
- 築年数が法定耐用年数を超えている物件
ただし、建物比率だけを重視して賃貸需要の低いエリアを選ぶと空室リスクが高まります。
節税効果と収益性のバランスを見極めた物件選びが欠かせません。
医師がマンション投資で失敗しないための3つの注意点

マンション投資は節税に有効ですが、判断を誤ると資産を目減りさせるリスクもあります。医師が陥りやすい失敗パターンを3つ取り上げます。
節税だけで物件を選ぶと赤字が続く
「節税になるから」という理由だけで物件を買うと、毎月の収支が赤字になる場合があります。特に新築の区分マンションは、家賃収入よりローン返済額と管理費の合計が上回り、持ち出しが発生しやすい傾向です。
購入前に収支シミュレーションを組み、キャッシュフローがプラスになるかを必ず確認しましょう。
| 確認項目 | チェック内容 | 目安・基準 |
| ローン返済額 | 金利上昇を想定した試算を行ったか | 金利+1%でも収支がプラス |
| 空室率 | エリアの賃貸需要を調査したか | 想定空室率10%で試算 |
| キャッシュフロー | 全支出を差し引いて手残りがあるか | 月1万円以上のプラス |
※目安・基準の数値は一般的な水準です。物件の立地や融資条件により変動するため、個別のシミュレーションで判断してください。
減価償却の終了後に収支が悪化するリスクがある
減価償却には期限があります。耐用年数超えの木造物件なら4年で償却が完了し、帳簿上の経費が一気に減ります。
経費が減ると不動産所得は黒字に転じる一方、ローン返済は続きます。「帳簿上は黒字となり課税されるのに、手元にお金が残らない」状態に陥りかねません。
償却期間終了のタイミングでの売却や繰り上げ返済など、出口戦略を購入時点で計画しておく必要があります。
不動産会社の営業トークをうのみにしない
医師は融資枠が大きいため、不動産会社から積極的に営業を受けやすい立場にあります。「節税になります」という言葉だけで購入を決めると、収益性の低い物件をつかむリスクが高まります。
失敗を防ぐための対策は以下の3つです。
- 複数の不動産会社から提案を受け、比較検討する
- 物件のリスクを質問し、明確な回答が返ってくるか確認する
- 売り手ではない税理士やFPなど第三者の意見を聞く
本業が多忙な医師こそ、信頼できる専門家とのパートナー関係が投資成功の土台になります。
まとめ|マンション投資は医師の節税手段として有効か

マンション投資は、減価償却と損益通算を正しく活用すれば医師にとって有力な節税手段です。税率50%前後の負担を抱える医師ほど、所得圧縮の効果は大きくなるでしょう。
一方で、節税だけに目を向けると、毎月の手取り赤字や償却終了後の税負担増といった落とし穴に気づけません。購入前の収支試算と、売却時期を含めた長期計画の設計が重要です。
まずは不動産投資に詳しい税理士へ相談し、自身の年収をもとにした節税シミュレーションを依頼してみましょう。