利回りを最大化する不動産投資の実践法 | 管理コストを抑えて収益を高める方法

不動産投資で利益を伸ばすためにもっとも重要なのが「利回り」です。利回りは「どのくらいの投資効果があるか」を示す指標ですが、ただ単に家賃収入を増やせば良いというわけではありません。

実際には、支出をいかに抑えるかが大きなポイントになります。

とくに見落とされがちなのが「管理コスト」です。管理会社への委託費用、修繕費、共用部分の清掃費などは長期的に積み重なり、オーナーの利益を圧迫します。

逆にいえば、管理コストを適切にコントロールできれば、利回りを着実に改善できるのです。

本記事では、不動産オーナーが実践できる「利回り最大化の方法」を、管理コスト削減の観点から分かりやすく解説します。

利回り最大化の基本的な考え方

不動産投資における利回りは「表面利回り」と「実質利回り」の2種類に分かれます。

・表面利回り:年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100
・実質利回り:年間家賃収入 −(管理費・修繕費・固定資産税など) ÷ 投資額 × 100

投資判断においては、前者の「表面利回り」だけを見てしまう方も多いですが、実際の手取り収入に近いのは「実質利回り」です。

管理費や修繕費がかさむと、表面上は高利回りに見える物件でも実際には利益が残らない、というケースも少なくありません。

したがって、利回りを最大化するためには「収入を増やす工夫」と「支出を減らす工夫」の両輪で考えることが重要です。

とくに支出面で大きな割合を占める管理コストを見直すことは、即効性のある改善策となります。

不動産投資における管理コストを抑える4つの方法

管理コストを抑える方法として、次の4つがあげられます。

・複数業者からの見積もりで適正価格を把握する
・自主管理と委託管理を比べてメリットの大きい方を選ぶ
・クラウドサービス・AI活用で管理を効率化する
・修繕・メンテナンス費を計画的に積み立てる

1)複数業者からの見積もりで適正価格を把握する

コストを抑えるためには、複数業者から見積もりをもらう「相見積もり」を行いましょう。管理会社や修繕業者の料金は、同じサービス内容でも大きな差があります。長年同じ業者に任せきりにしている場合、相場より高い費用を払い続けている可能性も否めません。

たとえば、エントランス清掃や定期点検の契約を他社に切り替えたところ、年間で数十万円の削減に成功した事例もあります。定期的に相見積もりを取り、サービス内容と料金を比較することで無駄なコストを抑えられるのです。

2)自主管理と委託管理を比べてメリットの大きい方を選ぶ

コストを抑えるうえでは、自主管理するのか、委託管理をお願いするのかも重要です。コストを減らしたい場合、「自主管理」がおすすめです。しかし、自主管理にはデメリットもあるので注意しましょう。

  • 自主管理のメリット:管理委託料が不要、入居者との距離が近くなる
  • 自主管理のデメリット:トラブル対応・家賃回収・クレーム処理に手間がかかる

小規模な物件や自宅近くの物件なら自主管理でも対応可能ですが、大規模物件や遠隔地にある物件では現実的に難しいケースが多いです。委託管理を選ぶ場合でも、管理項目を見直し「不要なサービスを外す」ことでコストダウンできます。

3)クラウドサービス・AI活用で管理を効率化する

近年は不動産業界でも「デジタル化」が進んでいます。業務効率を高める意味で、クラウドサービスやAIを活用するのもおすすめです。たとえば、次のような例があげられます。

  • 家賃回収を自動化できるクラウドシステム
  • 入居者からの問い合わせをAIチャットボットで対応
  • 監視カメラやIoT機器を使った防犯・設備監視

これらを導入することで、管理会社の作業負担が減り、その分の委託費をカットできます。初期投資は必要となりますが、長期的には効率化とコスト削減の両方を実現可能です。

4)修繕・メンテナンス費を計画的に積み立てる

修繕費やメンテナンス費を計画的に積み立てるのも、大切なコスト管理のひとつです。不動産投資では、エレベーターの更新や外壁工事など、一度に数百万円単位の費用が発生することも珍しくありません。

このリスクを避けるためにも「長期修繕計画」を立てて積立を行うのが良いでしょう。修繕を計画的に実施することで、大きな支出を平準化し、資金繰りの安定につながります。

不動産の収益性を高めるための3つの施策

「売上を伸ばしてコストを下げる」ことは、不動産投資を含めたビジネスの基本です。利益を最大化するためには、いかに収益性を高めるかを考える必要があります。ここでは、不動産の収益性を高めるための3つの施策をお伝えします。

・付加価値をつけて家賃収入を上げる
・融資条件の見直しで利息負担を軽減する
・税制優遇制度を活用する

1)付加価値をつけて家賃収入を上げる

支出削減だけでなく、収入増加も利回り改善には欠かせません。とくに空室対策として有効なのが「付加価値のある設備投資」です。例として、以下のような施策があります。

  • インターネット無料サービスを導入
  • 宅配ボックスを設置
  • セキュリティ強化(オートロック、監視カメラ)

これらは入居者の満足度を高め、空室率を下げる効果があります。結果的に安定した家賃収入を維持でき、実質利回りの向上につながります。

2)融資条件の見直しで利息負担を軽減する

不動産投資においては「融資の条件」も利回りに直結します。とくに金利は長期的に見て大きな支出です。

金融機関と交渉したり、金利の低いローンへ借り換えたりすることで、毎月の返済額を減らせます。たとえば、1%の金利差でも、数千万円規模の投資においては年間で数十万円の削減につながります。

3)税制優遇制度を活用する

不動産投資で利益が出た場合も、当然ながら税金を収めなければなりません。納税額を少なくするためにも「税制優遇制度」の活用が効果的です。たとえば次のような税制優遇制度があります。

  • 減価償却による節税効果
  • 青色申告特別控除(65万円控除)
  • 修繕費の経費計上

こうした制度を活用することで、手残りの利益を増やし、利回りを実質的に改善できます。

不動産投資における利回り改善の成功例

最後に、不動産投資において利回りが改善された成功例をいくつかお伝えします。

  • 事例①:管理会社を切り替えて年間50万円のコストを削減
    古くから付き合いのあった管理会社から新しい会社に切り替えたところ、管理費が大幅に減少。サービスの質も変わらず、利回りが+0.5%改善。
  • 事例②:インターネット無料設備導入で空室率を10%→3%に改善
    導入コストはかかったものの、入居者の満足度向上により空室が激減。家賃収入が安定し、長期的に利回りアップ。
  • 事例③:融資借り換えで利回り+1%向上
    当初のローン金利2.5%を1.3%へ借り換え。返済額が大幅に減り、その分収益性が改善。

【まとめ】顧客満足度を意識したコスト削減が重要

不動産投資において利回りを最大化するためには、家賃収入を増やすだけでなく、管理コストを見直すことが不可欠です。

・複数業者の見積もりで適正価格を知る
・管理方式を工夫する
・クラウドサービスやAIで効率化する
・修繕費を計画的に積み立てる

さらに、設備投資による付加価値や融資条件の改善、税制優遇制度の活用も組み合わせれば、長期的に安定した収益を確保できます。

「支出削減」と「収入増加」の両輪で戦略を立てることが、不動産投資の利回り改善に直結します。ただし、あくまで「入居者の満足度を意識したコスト削減」が重要です。顧客満足を意識したうえでコストを削り、売上の向上に努めましょう。本記事のポイントを実践し、オーナーとしてより高い収益性を実現してください。

著者

クラウド管理編集部

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